賃金を上げることへの抵抗感・・

毎年のように最低賃金は上がっているので、こればかりはどうしようもないのだけど・・・・

 

ただ、私が「賃金を上げないと景気は良くなりませんよ」と言ったところで、それでも「経費が増えるだけでやっていけなくなりますよ」

 

「賃金を強制的に上げさせるなら、何か補助金でもくださいよ」という声が聞こえてきます。

 

まあ、最低賃金が上がるので、それに合わせて賃金あげるので補助金下さいというのは論外ですが、・・・・気持ちは分かります。

 

さて、なんでこんなに賃金を上げるのに抵抗があるかというと・・・・

ずばり、上げることはできても下げることが出来ないからでしょう。

 

あるいは、賃金あげたら会社の経営が傾いてきたので解雇するというのもハードルが高いからでしょう。

 

そう、日本の労働法は一方通行。

後戻りできない様にできているから、前にも進みたくなくなるのです。

 

賃金上げたら下げることはできない・・・・だったら上げないようにしようと考えるのは、ものすごくまっとうな話だし論理的です。

 

経営状態が悪くなったら人員整理したいけど、それがものすごく難しいなら雇うのも慎重になるし、賃金を上げると負担も増すので上げないというのも当然です。

 

他の先進国では、自由ではないけど解雇は普通に出来るそうです。

賃金を下げることがどうなのかは知りませんので、ここでは考えないことにします。

 

では、解雇の方でかんがえますと・・・・

 

日本では雇用というのを賃金より重く見る傾向にあります。

不況の時は、労働組合の方から「賃金のベースアップはもちろん、定期昇給も見送ってもいいけど、雇用は確保してほしい」と要望を出したりする始末です。

 

つまり雇用さえ守ってくれれば賃金は上がらなくていいと言っているわけです。

 

ものすごく物わかりの良い労働組合です。

たぶん、ヨーロッパの労働組合から見たら笑いの対象にしかならないのではないかと思います。

 

だから、日本の失業率は低いわけで、それが素晴らしいことだという声もあります。

 

でも、20年たったら日本は先進国の中で最低水準の賃金しか出さない国になってしまったというのでは、たとえ失業率が低くても、・・・・それで良いのでしょうか?

 

私には、それで良いとは思えないのですが・・・

 

冒頭の話に戻りますと・・・・

 

「賃金を上げろと言ったって、経費が増えるだけ!」・・・・・

 

え、経費が増えるだけなんですか?

賃金が上がると、優秀な人材が確保しやすくなりませんか?

賃金が上がると、社員のやる気が出て商品やサービスの品質が上がりませんか?

 

賃金は単なる経費とは違います。

そもそも、「人件費」とかいう経費で考えてはいけないと、ある人は言っていました。

 

賃金は人に対する投資です。

賃金を上げることで、別のリターンがあるのです。

 

そこを考えないから、賃金を上げないという行動になるのでしょう。

 

投資なんです。

 

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今朝も眩しい日の出を見ることが出来ました。

まだ、日本は捨てたものではないと思っています。